195500 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

プー子の部屋

プー子の部屋

絵の本

おーなり由子の『絵の本』

★きれいな色と言葉  

★天使のみつけかた

★しあわせな葉っぱ   etc・・・


星野富弘の『花の詩画集』


★速さの違う時計

随筆 「速さの違う時計」より
 血液型が違うように、人はそれぞれ、速さの違う時計を持って
 いるような気がする。

   「山百合」より
 じっと見ていると、山百合は美しさを通り越して、不気味にさえ感じる。
 愛らしいとか、清楚とかいった、ありきたりの言葉など、とうの昔に
 食いつくしたような大きな花びらが、裂けた口のように開き、内側に
 橙色のおしべが怪しくゆれて、それはまさに、辺りに漂うありったけの
 生命を、全身で吸い取ったような、すさまじい美しさである。
 昔の人はそこに病人のうめき声――生命の極限を感じたのかも知れない。 

 人は美しすぎるものを目の前にした時、死を思わずにいられないのでは
 ないだろうか。椿や彼岸花のように、昔から身近にある美しい花も、
 なぜか死と結びつけられている。
 昔の人は、満開の桜の花にも不吉なものを感じたらしい。
 
 美しいものが、なぜ死と結びつくのかわからないが、もしかしたら
 本当に美しいものは、自分の生命と引き換えにしなければ得られない
 程のものなのではないだろうか。

相田みつをの本etc・・・


© Rakuten Group, Inc.